寒い季節、体がぬくもる鍋料理が晩ごはんの定番になっているご家庭もあることでしょう。しかし、小さな子どもがいる家庭では注意が必要です。鍋料理をする際に注意したい点、やけどを負ってしまったときの対処法をご紹介します。注意をはらって、家族団らんのおいしい鍋料理を楽しみましょう。
鍋料理でのやけど事例
実際に、鍋料理の準備中や食事中に起こったケガの報告を見ていきましょう。
「具材をゆでていた鍋を、子どもがひっくり返してしまった。熱湯を正面からかぶってしまい、全身の15%程(あごや胸・太ももなど)にやけどを負い、入院することに」(2歳)
「大人がテーブルの上に鍋を置こうとした際、鍋がかたむいて倒れた。テーブル横でバウンサーに寝ていた赤ちゃんに熱湯がかかり、やけどを負い救急搬送された。」(0歳)
子どもが触ったことによる事故だけでなく、大人の不注意による事故が起こってしまうことも。鍋料理の際には、細心の注意が必要なことがわかります。赤ちゃんのいる家庭はもちろんですが、幼児や小学生のきょうだいがいる家庭でも、子どもが触る危険があることを認識しておきましょう。
周囲に子どもがいないか確認してから、鍋を運ぼう
鍋料理の湯気やにおいにつられて、子どもは鍋をつい触ってしまうことがあります。手だけでなく、顔を近づけてしまうこともあるようです。また、食卓へ運んだ際に傾いて鍋が倒れてしまうこともあります。鍋料理の際は以下の2点を注意しましょう。
・鍋料理の準備中は、子どもを近寄らせない
・鍋は子どもの近くに置かない
鍋を運ぶときは子どもが周囲にいないことを確認し、食事中も子どもが鍋に触らないよう注意しましょう。バウンサーやベビーチェアに座っている赤ちゃんは、もし鍋が倒れても直接かからない位置に椅子をおいてあげると安心です。ママひとりではなくパパやいっしょに食事をする大人にも、やけどをしてしまうリスクを認識しておいてもらうと、安心して鍋料理を楽しめるかもしれませんね。
参考/子ども安全メール from 消費者庁
やけどしてしまったときの応急処置
どんなに気をつけていても、やけどを負ってしまうことがあるかもしれません。もしやけどしてしまったときのために、応急処置の方法を知っておくと安心です。
応急処置
1.すぐに流水で20分以上冷やす。
2.水ぶくれを破らないよう、ガーゼで覆う。
3.すぐに皮膚科を受診する。
注意)素人判断でアロエや味噌、油などを塗ったり、水ぶくれをつぶしたりしてはいけません。細菌感染するおそれがあります。
からだの部位別、上手な冷やし方
手、足・・・水道の水を出しっ放しにして冷やす。直接かけるより、洗面器やバケツなどに水を流し、患部をつけるとよい。
頭、顔・・・冷水のシャワーをかける(水圧が強くなりすぎないように注意)。
耳、目・・・直接水をかけず、冷たいタオルをこまめに替えながら冷やす。
注意)氷で直接冷やすのは厳禁です。また、洋服を無理に脱がせようとすると患部がこすれて皮膚を傷めてしまいます。十分冷やしてからはさみで服を切り開きましょう。
寒い季節には体が温まる鍋料理を食べたくなりますが、不慮の事故が起こることもあります。子どもが触らないように注意するのはもちろん、こぼれてしまったときに子どもがやけどしないように、鍋を置く位置などにも注意しましょう。
※参考: ベビーカレンダー「やけどをした時の応急処置」【監修:小児科医・葛飾赤十字産院院長 三石知左子先生】