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「もっと遊ぶ~!」かんしゃくを起こす子ども。順番を待つなど我慢の心はどう教える?【保育士が解説】

保育士の中田馨さんが、赤ちゃんの我慢できる心を育てる基本についてお話ししてくれました。生活リズムを整えること、たっぷり甘えさせて要求に応えてあげることなどをマンガでわかりやすく解説します!


こんにちは。保育士の中田馨です。人は生活をするなかで我慢をする場面に出合います。これは、赤ちゃんのときからずっとです。「我慢できる心」を育てるには、親との関わりが基本になります。今回は、赤ちゃんのときからできる「我慢できる心」を育てる基本についてお話しします。

 

我慢する心の育て方

 

我慢する心の育て方

 

生活リズムを整える

まず、心を育てるには生活リズムを整えることが基本です。生後3~4カ月ごろになると、昼と夜の区別がつき始めるので、徐々に生活リズムが整い始めます。とはいえ、赤ちゃんが自分から生活リズムを整えることはできません。親が主導しながら生活リズムをつくっていきます。


一番簡単なのは、朝、カーテンを開けて陽の光を入れ、決まった時間に起こすこと。そして、毎日同じ時間に寝ることです。起きる・寝る時間が一定になると、生活リズムがおのずと整ってきます。

 

昼間は十分に遊ばせます。生活リズムを整えることで、感情をコントロールする脳神経が発達し、情緒も安定します。

 

たっぷり甘えさせて要求を満たすこと

赤ちゃんのときにママやパパに十分に甘えた経験のある子は、情緒が安定して我慢ができると言われています。実際に保育所でも、家で十分に甘えることができている子は、落ち着いていることが多いです。遊びへの集中力があり、自分が「甘えたい場面」がよくわかっています。逆に甘えられない子は、どう甘えればいいかわからず友だちにちょっかいを出したり、遊びに集中できなかったりします。保育士にもどう甘えればいいのかわからないといった様子が見られます。
 

「甘えさせる」って、具体的に何をすればいいの?と思いますよね。簡単なのは、赤ちゃんの「抱っこして!」という欲求に応えることです。抱っこされたいときに抱っこされ、自分の気持ちが満たされる経験が積み重なることが大切です。抱っこされると、ママやパパと肌が触れ合い安心感も与えられます。

 

遊びのなかでの我慢を覚える

1歳過ぎると友だちとの関わりのなかで、おもちゃの「かして」「どうぞ」が始まりますが、そのときも友だちの遊びが終わるまで、待つという「我慢」をします。このとき、我慢ができない子は、かんしゃくを起こしたり、友だちに衝動的な行動をしてしまうことがあります。

 

ちょっとしたことでかんしゃくを起こさないためにも、赤ちゃんのときから遊びのなかで、我慢することを経験していきます。同年代の子どもと関わることだけが、遊びの我慢ではありません。遊びの途中でも、時間になったら「片付けてごはん食べようね」という、やりたいことをやめるのも我慢の場面です。

 

大人が見本になること

赤ちゃんの見本はパパとママ。パパとママが乱暴な言葉を使ったり、夫婦喧嘩を目の前で見せると影響することがあります。赤ちゃんは大人が思うよりも大人の言動を見ていますよ。「あ、このときはこう言えばいいんだ」ということはすぐに取り入れます。

 

私自身も驚いたことがあります。「今、娘が言った言葉、私が怒ったときに言う言葉だ!」って。本当にドキッとしますよね。だからこそ、意識的に赤ちゃんの前では、乱暴な言葉を使わないようにしましょう。言葉だけではありません。物に当たったりすることも一緒です。とはいえ、夫婦喧嘩はしてしまうこともあると思います。もし喧嘩になりそうになったら、赤ちゃんのいないところで。赤ちゃんの前では、仲良しのパパとママをたくさん見せましょう。

 

 

我慢する心を育てるには、毎日毎日の積み重ねが大切。スキンシップを心がけて「私は愛されている」という気持ちで赤ちゃんの心を満たしてあげましょう。
 

作画/山口がたこ

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    この記事の著者
    著者プロファイル

    保育士中田馨
    一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長

    0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!

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      こんにちは。 初めてコメントさせて頂きます。 現在4歳の男の子(ASDとADHDと診断あり療育中)と2歳の女の子を育児中です。 4月から仕事復帰をして、子供たちと一緒の時間がなかなか作れていません。… もっと見る
      こんにちは。
      初めてコメントさせて頂きます。

      現在4歳の男の子(ASDとADHDと診断あり療育中)と2歳の女の子を育児中です。
      4月から仕事復帰をして、子供たちと一緒の時間がなかなか作れていません。
      仕事から帰って来てご飯を作っている時など、2人に泣いて色々な事を要求されると、自分に余裕が無い時は応えてあげられなかったり、イライラして怒鳴ったり物に当たったりしている時があります。
      少しして自分が冷静になると、ちゃんと理由を聞いてあげたり、抱っこしてあげたり、優しい対応ができるのですが。。
      記事にあったように、抱っこですぐに満たされなかったり、物に当たったりしているのを見たり、子供たちに良くないことをしていると後悔します。

      上の子は診断が出ているからなのか、我慢ができなかったり、おもちゃも独り占めしたくて妹に渡さないし、しかも妹のものを奪ったり、取られそうになると大声を出して威嚇します。
      妹もいつしか同じような行動をとったりします。

      欲求が満たされてない状態になってしまったら、もう今後は改善出来ないのでしょうか?
      イライラしている様子を見せてしまったら、子供たちの心に傷が付いたりしないでしょうか?

      今から子供たちのために、私ができることや心掛けることは何でしょうか??

      何かひとつでもいいので、アドバイス頂けると嬉しいです。
      よろしくお願いします。
      +24 -2
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      はじめまして! いつも心に響く記事、ありがとうございます。 中田先生のように出来はよくないですが、私も保育士としてしばらく勤め、遅めの結婚、出産を経て、初めての子育て10ヶ月目です。(現在育休中です)… もっと見る
      はじめまして!
      いつも心に響く記事、ありがとうございます。
      中田先生のように出来はよくないですが、私も保育士としてしばらく勤め、遅めの結婚、出産を経て、初めての子育て10ヶ月目です。(現在育休中です)

      こちらの記事は、以前にも読ませていただき、「いいね」「クリップ」済みでしたが、今日見出しが出ていたので、再度読ませていただきました。

      実は娘が泣いている時に夫がとる行動について疑問があるのです。「いつもこの時間は泣くから、そのままでいいんだ」などと、構わずに放っておくことがあるのです。

      もちろん、常にそういうわけではなく、泣いてるのをなだめてくれる時もあるし、たくさんあやして遊んでくれる時もあります。

      四つん這いで激しく泣いているのに、そのままになってしまっていた時は、私が先に入浴している時でした。

      夕食後に私と入浴して寝るという流れが定着していますが、今より小さいうちはその時間は「眠いけどまだお風呂入ってないし眠れない」という感じだったのではないかと思います。最近は私を後追いすることがあり、入浴時はそれで泣きます。

      もともと、私が先に体を洗い終えてから、夫に娘を連れてきてもらい、洗ったらまた夫に迎えに来てもらい服を着せてもらう。その間に私も服を着て、整ったら布団へ行って沿い乳で寝ていました。

      最近は前述したように、私が離れると激しく泣くようになったのと、しっかりつかまり立ち出きるようになったことなどから、一緒にお風呂場へ行き、その日の様子を見ながら順番を決めず体を洗っています。沿い乳以外でも入眠できるよう、入浴後眠そうになったら夫に布団へ運んでもらうように変更しました。

      試行錯誤しながらここまできて、決まったパターンで泣かせてしまうことは避けられています。

      ただ単に、先回りして泣かせなければいいと思っているわけでもないのですが、私が離れて娘が泣いた時、すぐ夫があやしてくれればなんの心配もないのですが、そうしてくれる時と、そうでない時があるので、情緒面に影響しないか心配なのです。我が家のように、母が先に入浴してそばを離れて泣いた時、夫が放っておいた場合情緒面に影響するでしょうか?仕事柄、「愛情を貯める入れ物にヒビが入って育ってしまい、一生直らないので、愛情を注ぎ続けてあげないと心が満たされません」というような事例に触れたことがあり、そのようなことにならないようにと思っています。

      これまでの経緯もある程度お伝えしないと分かりにくいかと思い、長くなってしまい申し訳ありませんでした。

      なにかご意見聴かせていただけたらありがたいです。

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