離乳食は生後5カ月くらいから1歳6カ月くらいまで、約1年間の赤ちゃんの食事です。この1年で赤ちゃんはどのようにして、固形物を食べられるようになっていくのか、月齢別に見ていきましょう。
生後5〜6カ月ごろ
目標は口に入れたものを飲み込めること
最初の目標は、口に入れたものをゴックンと飲み込めるようになることです。舌で押し出したり、ベーッと口から出したりしても大丈夫。無理強いはしないで、あせらずにゆったり構え、翌日にまたチャレンジしてみましょう。
つぶしがゆを小さじ1杯から
まずはつぶしがゆ(10倍がゆをすりつぶしたもの)から。小さじ1杯程度の量を食べさせます。1週間後にはつぶした野菜、2週間後には豆腐など、食材の種類を少しずつ増やします。初めての食材は、どれも小さじ1杯から始めます。
1日1回機嫌のいい時間帯で授乳の前に
スタートは1日1回。機嫌のいい時間帯を見はからって、授乳前にトライします。翌日以降も同じ時間帯にすると、赤ちゃんの生活リズムが整ってきます。1カ月くらいたって、離乳食に慣れてきたら、1日2回に増やしてみます。
生後7〜8カ月ごろ
舌でつぶせるやわらかさが食べられます
ペースト状から舌でつぶせる豆腐やプリンのやわらかさが食べられるように。舌を上下に動かして、上あごに押しつけて食べます。5〜6カ月ごろより水分量を減らして見ましょう。豆腐なら小さく切って火を通すだけで食べられます。
1日2回食が定着してくる時期
食べられる食材も増えますので鶏ささみ、卵黄、納豆、プレーンヨーグルトなども取り入れて見ましょう。味付けはごく少量なら問題ありませんが、まだだし味のみの方がいいでしょう。
体調をくずしたときには前段階に戻しましょう
7〜8カ月は風邪をひいたり、熱を出したりのトラブルが起きやすい時期です。病気のときは離乳食を一段階前に戻してあげるといいでしょう。
生後9〜11カ月ごろ
バナナのかたさが目安。かむ練習をします
7、8カ月ごろのべたべた、ふわふわをベースに、少しずつ切り方を大きくしていきます。スプーンでかんたんにつぶせるバナナくらいのかたさのものを食べさせて、歯ごたえに慣らしましょう。上下の歯ぐきでかんで食べる練習になります。かたくて小さいものは飲み込みやすいので、丸飲みの習慣がつかないように注意しましょう。
1日3回!栄養のバランスがとれた食事を
離乳食が1日2回から3回になります。必要な栄養素の半分以上を離乳食からとるようになるので、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。ただし、難しく考える必要はありません。炭水化物、ビタミン・ミネラル、たんぱく質の3つのグループから、食材を選んで組み合わせれば、バランスのいい献立が作れます。
不足する鉄を含んだ食材を積極的に取り入れて
体重が増え、運動量が多くなるこの時期は、体内の鉄が不足しがちです。離乳食の献立には、鉄を含んだ食材を積極的に使うように心がけましょう。たとえば、レバー、赤身肉、まぐろ、かつお、かき、高野豆腐、ほうれん草、小松菜など。同時に鉄の吸収を助けるビタミンCやたんぱく質の素材もとり入れて。
1歳〜1歳6カ月ごろ
次の食事との間は3~4時間以上あけましょう
おなかがすいていると、食事はおいしく感じます。赤ちゃんの食欲がないときは、食事と食事の間隔が3~4時間以上あいているか、補食をあげすぎていないかチェックしてみましょう。とり入れて、自分で食べる楽しさも味あわせてあげて。
いろいろな大きさや形のものを用意してかむ練習を
歯ぐきがしっかりしてきて、すりつぶす力が強くなるころ。食材は、ほぼ何でも食べられるようになります。ゆでたにんじんやじゃがいもなどは、前歯でかじり取って口の奥まで運んで歯ぐきでしっかりかみつぶすように。かむ練習ができるように、いろいろな大きさや形のものをやわらかく調理して与えましょう。
だらだら食べに注意!食事の終わりには口の中をきれいに
歯が生える時期には個人差がありますが、このころは上下の前歯に加えて奥歯も生え始めるようになります。そろそろむし歯予防を考えましょう。だらだらと食べ物を与えないようにして、食事の終わりには水やお茶を飲ませ、口の中をきれいに保ちます。寝る前にぬらしたガーゼで歯をふいてあげるのもよいでしょう。
赤ちゃんの成長に合わせて食べられるもの固さも変化していきます。特に大きさや固さはいきなり変わると赤ちゃんもびっくりするので徐々に変えていきましょう。