
日本語教師をしている20代後半の娘に結婚が決まり、挙式の日を楽しみにしていた私。相手は、A男さんという大手企業に勤める会社員の方でした。ところが、結婚式を目前に控えたある日、娘からまさかの連絡が入ったのです。
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娘が選んだ相手
娘が紹介してくれたA男さんは、真面目そうで仕事熱心な印象を受けました。ただ、少しプライドが高そうに感じることもありました。
娘は「彼は大企業勤めで、私は日本語教師。私なんてふさわしくないんじゃないかな」と、不安を口にすることもありました。
私は娘に、「あなたは立派に働いているし、教える力もすばらしいわ。胸を張りなさい」と伝え、気持ちを支えてきました。
思わぬ出会い
結婚準備が進んでいたある日、私が清掃のパートをしているビルで、偶然A男さんと出くわしました。
「えっ……お義母さん、こちらでお仕事を?」
「ええ、体を動かすのが好きなのよ。それに、掃除をすると気持ちがスッキリするから」
私は特に気に留めることもなく話しましたが、そのときA男さんが少し複雑そうな表情をしていたのを覚えています。
そしてある日、娘から慌てた様子で連絡が入りました。
「どうしようお母さん」
「破断にしたいって…」
「え?」
「貧乏人の娘との結婚はキャンセルだって…」
私は急いでA男さんに連絡を取りました。すると彼から思いがけない言葉が返ってきたのです。
「申し訳ありませんが、結婚は取りやめたいんです。正直に言うと……私、もっと裕福な家庭の方だと思っていたんです」
驚きと混乱で言葉を失う私。さらに彼は、「結婚にかかった費用は返してほしい」とまで言いだしました。私や娘の職業や生活を理由に結婚を取りやめたことに、娘は深く傷つきましたが、それでもきぜんとこう言いました。
「お母さんの仕事は誇りあるものよ。そんな考えの人とは結婚できない」








