
アルバイトを始めたばかりのころ、私はレジ研修で何度もミスを重ねていました。覚えることが多く、焦れば焦るほど手順が頭から抜けていく……そんな自分に、すでに自信をなくしかけていたのです。あの日の出来事は、そんな私の心に強く残っています。
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お客さまの前で浴びせられたひと言
その日は特に店内が混み合っていました。手順が少し遅れてしまった瞬間、同じシフトの先輩が後ろから大きくため息をつきました。
「何回教えたらできるの? ホント向いてないよね」
はっきり聞こえる声でした。胸がぎゅっと締めつけられ、顔が一気に熱くなりました。どう返せばいいのかわからず、私はただ「すみません……」と小さく答えることしかできませんでした。
お客さまの前で言われたこともあり、心の中は恥ずかしさと落ち込みでいっぱいに。レジを打ちながらも、頭の中は真っ白でした。
店長のひと言で変わった空気
その様子を少し離れた場所から見ていた店長が、すぐにこちらへ来ました。
「指導は裏でやります。お客さまの前でスタッフを否定するのはやめてください」
きっぱりとした口調でした。先輩は「別にそんなつもりじゃ……」とごまかすように言いましたが、店長は落ち着いた声で「つもりではなく、言葉が相手を傷つけています」と返しました。
その瞬間、場の空気がはっきりと変わったのを感じました。私は驚きながらも、胸の奥にたまっていた重たいものが、すっと軽くなっていくのを感じていました。








