
私は中学卒業後すぐに社会に出て、人一倍仕事に打ち込んできました。一方で、若いころからマンガやアニメの世界に憧れ、仕事の傍ら創作を続けてきました。そんな私の義父・B山は、アニメ制作会社を経営しています。表向きには義実家とも良好な関係を保っていましたが、以前からどこか見下されているような空気を感じることもありました。そしてある日、その違和感が決定的な形で表面化したのです。
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席のない祝宴
ある日、義妹の就職祝いで高級寿司店に行くことになりました。ところが店に着くなり、義父は困ったふりをしながらこう言ったのです。
「人数の手配がうまくいっていなくて、悪いがお前の席がないんだ」
さらに妻のA子まで、「こういう席にあなたがいなくても別に困らないでしょ」と冷たく言い放ちました。他の親戚たちも「ごめんなさいねぇ」と白々しい態度。以前から、学歴や経歴について遠回しに軽く扱われることはありましたが、この日の態度はあまりにも露骨でした。
私は静かにその場を離れようとしたのですが、その時、店員のD美さんが予約表を確認しながら不思議そうに声をかけてきました。
「あれ……? 先ほど1名様分のお席を減らしてほしいとご連絡をいただいていましたよね?」
そのひと言で、場の空気が一変しました。義妹が明らかに動揺した表情を浮かべたのです。私は、それですべてを察しました。つまり単なる手違いではなく、最初から私の席だけ意図的に減らされていたのです。
義実家が知らなかった私の転機
気まずい空気の中、D美さんが私に「先日はお世話になりました。お仕事お忙しそうですね」と声をかけてくれました。実はこの寿司店は、最近仕事関係で利用したことがあり、彼女とも面識があったのです。
その流れで義実家にも話すことになりましたが、私は今度、新進気鋭のアニメ制作会社で責任あるポジションを任されることになっていました。創作を続けてきた経験と、前職で培った営業・マネジメント力を評価され、抜擢されたのです。
すると義妹が驚いた声を上げ、「えっ、そこって私の就職先候補だったんだけど……」と言いました。どうやら、義妹も同業界を目指していたようでした。
私は淡々と伝えました。
「仕事でも人間関係でも、誠実さは大切だと思うよ」
その言葉に、義妹は何も言い返せませんでした。








