
学生時代のことです。私には好きな男の子がいました。クラスのAくんです。ちょうど隣の席で、毎日のように話しているうちに仲良くなりました。周りからも「お似合いだね」と言われるようになり、少し照れくさい半面、うれしくもありました。
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身に覚えのないウワサ
ところがある朝、教室に入った瞬間から、クラスメイトの視線がいつもと違う気がしました。友だちもどこかよそよそしくて、気になって「私、何かしてしまった?」と聞いてみました。すると友だちが、言いにくそうにこう教えてくれたのです。
「B子ちゃんが、若葉ちゃん(著者)に『私とAくんの邪魔をしないで』って言われたって泣いてたよ」
もちろん、私にはまったく身に覚えがありませんでした。
私は何もしていない
その日のうちに、私の悪いウワサはクラスを越えて他のクラスにまで広がっていきました。このままだと学校生活が壊れてしまう気がして、私は早めにB子ちゃんと直接話すことを決めました。
「私、何も言ってないよね。どうしてそんなこと言ったの?」
そう聞くとB子ちゃんは、真っすぐに否定しました。
「ウソなんかついてないよ。昨日の放課後、昇降口で言ってきたじゃん。ねえAくん聞いてよ、若葉ちゃんったらひどいんだよ」
その場にはAくんもいました。私は、もしAくんがB子ちゃんの話を信じてしまったらどうしよう、と胸の奥がひやりとして、今にも泣きたくなりました。それでも、ここで引いたら本当に私が悪者になってしまう気がして、意識して声を落ち着かせました。
「私はB子ちゃんに何も言ってないよ。信じられないなら仕方ない。だけど、私は何もしてない」








