
私は28歳。在宅でイラストレーターの仕事をしています。仕事部屋の環境を整えるため、しばらく兄の家に身を寄せることになりました。引っ越し先は駅近の高級タワーマンション。快適な生活が始まると思っていたのですが、そこで待っていたのは「階数で人を選ぶ」ような、驚きの空気だったのです――。
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高級タワマンの謎ルール
兄の部屋は3階にあり、私は期間限定で同居することになりました。引っ越してすぐ、隣人のA子さんが親切に声をかけてくれました。
雑談の流れで、私は共用ラウンジの話題を出しました。このマンションには2階のロビーラウンジと、最上階のスカイラウンジがあり、住人なら予約制で利用できると案内に書かれていたからです。
するとA子さんは少し困ったように言いました。
「表向きはそうなんだけど、実際にはスカイラウンジは20階以上の住人たちが仕切っているの」
「低層階の人は使っちゃダメっていう、暗黙のルールがあるのよ」
私は耳を疑いました。実際にはそんな決まりはありません。ですがA子さんによると、高層階には会社役員や経営層の家庭が多く、逆らいにくい空気があるのだそうです。私は、住む階数だけで立場が決まるようなその雰囲気に、強い違和感を覚えました。
スカイラウンジで味わった屈辱
後日、私は共用施設の確認も兼ねて、スカイラウンジを見に行きました。ガラス張りの開放的な空間で、景色も素晴らしく、「せっかくなら一度利用してみたい」と思ったのです。
そこへ数人の女性たちが入ってきました。中心にいたのはB美さんとC絵さん。ブランド品に身を包み、堂々とした態度の2人でした。
私に気付くなり、「あなた、どこの部屋?」「何階に住んでるの?」「ご主人は何のお仕事?」と次々に質問してきました。
私が「3階の兄の家に、しばらく住んでいます」と答えると、空気が変わりました。
「3階? しかも未婚で居候ってこと?」
「ここは20階以上の人たちの場所なの。低層階の人は遠慮してもらえる?」
私は「そんなルールないですよね……」と言いましたが、B美さんは食い気味に「は?」と言いながらギロッとにらんできました。私はあまりの圧に言葉を失いました。それ以上何も言い返さずに退室しましたが、悔しさと情けなさで胸がいっぱいになりました。








