
私は、親友とディスプレイ用品メーカーを共同経営していました。海外での経験を生かして、多様な価値観を取り入れながら、長く使われる商品づくりを大切にしてきました。しかしある日、信頼していた親友と妻から突然突きつけられた言葉によって、私は仕事も家庭も同時に失うことになりました――。
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親友と妻から突きつけられた決別
海外出張から帰国した直後、私は共同経営者である親友のC山と、妻のA子に呼び出されました。妻のA子は、会社でSNSやプロモーション戦略を担当していました。
場所は会社の会議室。そこでC山は開口一番、「お前とは経営方針が合わない。取締役から外れてほしい」と切り出したのです。
取締役は私とC山の2人。株式もC山側が多く持っていたため、正式な手続きを踏まれれば、私の立場が不利になる可能性は十分にありました。私は以前から、使いやすさや長く売れる設計を重視していましたが、C山とA子はSNS映えや短期的な話題性を優先すべきだと考えていました。
さらにA子まで、
「あなたの考え方は古いのよ」
「今の時代はもっとトレンド重視で動かないと」
と言い、最後には、「家庭でも価値観が合わなくなった。私は家を出る」とはっきり告げました。2人は、まるで以前から答えを合わせていたかのように、迷いなく私に言葉をぶつけてきたのです。
私は突然のことに言葉を失いました。もちろん反論したい気持ちもありました。ですが最近は、会議でも意見が対立することが増えていました。実際に、出張中にも会社の方向性を巡って何度か衝突していました。
そのことを思うと、もうこの2人には何を言っても意見が合うことはないのだと感じてしまいました。何より、その場でどれだけ反論しても、すでに2人の中では結論が出ているように見えたのです。
「……わかった。もめ続けるくらいなら、俺は身を引くよ」
そう答えるしかありませんでした。長年一緒に会社を育ててきた親友と、家族として支え合ってきたはずの妻。その両方を一度に失ったことで、私は大きな喪失感を抱えて帰宅しました。
娘の言葉と、新しい仕事との出会い
帰宅すると、娘のD絵が友人のE也くんと遊んでいました。
私はまだ気持ちの整理がつかないまま、「お父さん、しばらく家にいる時間が増えるかもしれない」と伝えました。すると娘は、深く事情を聞くこともなく、「私はパパがいてくれるならうれしいよ」と笑ってくれたのです。その言葉に、少しだけ救われた気持ちになりました。
すると隣で話を聞いていたE也くんが、
「じゃあ、おじさん、僕のママのお仕事手伝ってよ!」
と無邪気に言ったのです。しばらくして迎えに来たE也くんの母・B美さんは、地域向け販促商品を扱うメーカーを経営している方でした。事情を聞いたB美さんは驚きつつも、「もしよければ、一度お話を聞かせてもらえませんか?」と声をかけてくれたのです。
その後、私はB美さんの会社で、企画や販促戦略のサポートに関わることになりました。








