
私は42歳の専業主婦で、夫と高校生の次男と一緒に暮らしています。長男のA太は最近東京の大学に進学して、家を出たばかり。いつも通りの朝、1本の電話が私の日常を揺るがしました。
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「もしもし、オレだけど」
その日、家族を送り出してひと息ついたころ、自宅の電話が鳴りました。
「もしもし母さん、オレだけど……」
息子を名乗るその声は、どこか不自然でした。
「事故を起こしてしまった」「相手は歩行者で、けがをさせてしまった」――慌てた様子で話し続けますが、その内容はどこか曖昧です。思わず、「あなた、本当にA太なの?」と質問したところ「そ、そうだよ」と上ずった声の返答。
私はその声を聞いて、「これは詐欺に違いない」と確信しました。
探るうちに見えてきた正体
電話を切ろうとしたそのとき、相手が慌てたように口走った言葉に、私の手は止まりました。
「母さん、昔よくまんじゅう出してくれたよね」
「魚肉ソーセージのおやつ、好きだったな」
思わず息をのみました。それは、息子やその友だちにしかわからないような記憶だったからです。
そして私の頭の中には、ある人物が浮かび上がってきたのです。







