
私は45歳の兼業主婦です。フリーランスとして働きながら、夫と高校生の娘・B子との3人暮らしをしていました。そんなわが家に大きな変化が訪れたのは、2年前のことです。シングルマザーだった義姉と突然連絡が取れなくなり、親族や学校にも相談した結果、夫が高校生の姪・A美をしばらくわが家で預かることになりました。突然の出来事に戸惑いながらも、私は「困っている子を支えたい」という夫の気持ちを尊重しようとしていました。しかし、それが家族の崩壊の始まりになるとは思ってもいませんでした――。
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「支えてやらないと」が口癖になった夫
A美が家に来た当初、私もB子もできる限り気をつかっていました。ところが夫は次第にA美ばかりを優先するようになったのです。
「母親に見捨てられたんだから、今は支えてやらないといけない」
それが夫の口癖でした。もちろん私もA美を気の毒だと思っていました。しかし、夫は気づかうことと甘やかすことを履き違えていたのです。
A美は夫の前ではとても素直でした。
「叔父さんって本当にやさしいよね」
「私には叔父さんしか頼れる人がいないの」
そんな言葉を繰り返し、夫はすっかり上機嫌になっていました。夫は、A美に頼られることで、自分が必要とされているように感じていたのだと思います。
一方でB子は、勉強や部活動に一生懸命な性格です。ところが夫は、「B子は愛想がない。A美の方が素直だ」と言うようになりました。
ある日、A美は夫の前で涙を流しながら、「B子ちゃんに冷たくされた」と訴えました。けれど実際は、B子が試験前で勉強に集中していただけのことでした。
さらに夫がいないところでは、「叔父さんなんて私の言うこと全部信じるし」「ちょっと泣けば味方してくれるもん」と笑っていることもありました。
私は嫌な予感を覚えていましたが、夫はまったく気付こうとしなかったのです。
実の娘を捨てて姪を選んだ父親
そんなある日、B子のスマートフォンが壊れていることがありました。それ以前にも、文房具やアクセサリーがなくなったり、勝手に使われたりしたような形跡が続いていました。B子は冷静に、「誰かを責めたいわけじゃない。ただ何があったのか知りたいだけ」と話しました。
ところが夫は突然激怒したのです。
「A美を疑うな!」
B子は驚いた顔をしていました。それでも落ち着いて説明しようとしましたが、夫は聞く耳を持ちません。
そしてついに言い放ったのです。
「お前は人を疑い過ぎなんだ!」
「A美の方がよっぽど素直でかわいい!」
さらに、「正直、A美の方が娘みたいだ」とまで言いました。
部屋が静まり返りました。B子はしばらく黙っていましたが、やがて小さな声で言いました。
「じゃあ、私はもういらないんだね」
夫は一瞬言葉に詰まりました。けれど、すぐに目をそらし、「そう思うなら好きにしろ」と吐き捨てたのです。その瞬間、私の中で何かが切れました。私は以前から考えていた決意を夫に伝えました。
「もう一緒には暮らせない」
夫は一瞬驚いた様子を見せましたが、最後まで強がっていました。こうして私はB子を連れ、実家へ戻ったのです。








