「ほかにもリレーの選手に選ばれた子はいたのに、なぜ標的がフミヤだけだったんでしょう」フミヤの母からそう言われ、担任の先生はしばらく無言になり……。
フミヤの母からの問いに先生は思わず…
「フミヤくんは一切悪くないです。あの…!!たまたまなんです」
え、たまたまって……!? フミヤの母は先生の言葉に一瞬驚きます。
モリオくんは、フミヤくんがフミヤの父と一緒にかけっこの練習をしているのを見かけて、それがとてもうらやましく「ズルイ」と思ってしまったようだと、先生。
「おそらくそれがフミヤくんが意地悪の標的になった原因で……」
「モリオくんもお父さんと練習したかったのかもしれませんね」
誰が本当の加害者なんだろう……。
本当の被害者は誰なんだろう。
そんな思いで頭がグルグルしながら、フミヤの母は先生との電話を終えたのです。
モリオくんは、親からの愛情を求めていたのかもしれませんね。自分の子どもに意地悪をしていたとしても、そんな話を聞くと心が痛みますね。
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