食事やおやつには昔から食べられているものを

――他には、どのような食事がおすすめなのでしょうか?
白澤先生 健康長寿の人が多い長野県では、3時のおやつが野沢菜とお茶だそうです。
近年は「やわらかい」「甘い」がおいしいものの代名詞のようになっていますが、かつての日本の食材は、ご飯でも野菜でもかんでいるうちに甘さを感じるものがメジャーでした。食材の生成技術が進んで砂糖や小麦粉が一般的になるにつれて、甘くてやわらかくてかまずに飲み込めるようなものが主流の現在の食生活に変わってしまったんですね。
ですから、先の野沢菜のように昔から食べられているものを食卓にのせることも大切だと思います。
――白澤先生は普段、どのようなものを食べているのでしょうか?
白澤先生 毎日、サラダや漬物でたっぷりの野菜を食べています。国内の10カ所ほどに畑がありまして、そこで作ったオーガニックな野菜を食べるのが基本です。
――畑での野菜の栽培は、先生の趣味なのでしょうか?
白澤先生 いえ、研究の一環です。私は、土壌微生物の多様性を十分に保つことが人間の健康寿命に関係しているのではないかと考えているんです。
実際、さほど人間の手が入っていない土地と、農薬や化学肥料が使われている土地では土壌微生物の量が倍近くも違うんですね。その違いは確実に体に表れますから、健康を実現するための畑のようなインフラを日本国内に作るべきではないかと考えています。その実現に向けて、自分の体を使ってさまざまな実験をしているところなんです。
――老けにくく健康であり続けるためには、食への意識を持つことが大切ということでしょうか?
白澤先生 必要なのは、その食材がどんなところで作られたものなのか、どのような栄養価があるのかなど、自分が食べるものに対する深い洞察力ですね。私は「元気で長生きになるためには、知識と考え方が大切ですよ」というメッセージを多くの人に届けたいと思っているんです。
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<著書>

『「一生老けない」にいいこと超大全』白澤卓二/監修 宝島社 1000円+税
取材・文/熊谷あづさ(50歳)
ライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。








