事実無根の陰口はエスカレート
その数日後。相変わらず私のことは無視かあからさまに悪口を言うかの二択な2人が、またも聞こえよがしに陰口をたたいてきたのです。
「最近、新人の誰かさんが料理長と2人だけで話し込んでいたわよね」「まだ何もできないくせに、偉そうに口を出して」「もしや料理長狙いだったり?」「出来損ないはさっさと辞めてよね」
あまりの下世話さに、怒りなどを通り越して、完全にうんざりした私は、「あなたたちがそうなら、こちらも好きにさせていただきます」と宣言しました。
笑っていられるのも今のうち。従順な新人を演じてきたけれど、それももう終わりです。私は翌日、いつもよりさらに早めに職場に入り、準備をすべて終わらせました。
実力で勝負することに
いよいよ勝負のランチタイム。親子連れから年配ご夫婦、若者の団体まで、大勢の来客があるこの時間は大忙しなのです。「役立たずの新人」と言われていた私は裏方ばかりで接客も配膳もさせてもらえず、これまではやる気のないお局パートがすげなくお客を断ったり待たせたりしていたのですが……。
この日はせんえつながら私が先頭に立ってホールを仕切ることに。もちろん料理長は了承済み。今こそ、これまで真面目に覚えてきたことを実践に移すときです。
「勝手に何を……」と鬼の形相で私を押しのけようとする2人は、メニューの説明ができなかったり注文を間違えたりと、ミスばかり。一方私は笑顔で接客を続け、受付・配膳・片付け・見送りを繰り返しました。もう1人のパート女性も手伝ってくれて、2人で十分ホールを回せたのです。
ランチタイム終了後……。怒り狂ったお局2人は料理長に直訴。新人とベテランパート2人とどっちを取るのか、と迫ったのです。すると料理長は笑って宣言しました。
「今日の様子を見ていればわかる。2人とも、今までありがとう。辞めていいよ」








