反撃スタート
数カ月たってマンションが完成。と同時に、ヨシダが怒り狂ってわが家に乗り込んできました。
「これは何ですか!?」
マンション建設用に売却した土地のほか、その周囲を所有していた祖父は、いつの間にか木の柵を張り巡らせていたのです。おまけに「私有地につき立ち入り禁止」という看板まで。
残されたのは、一般道の細い歩道のみ。祖父の土地を通らなければ車ではマンションまで来られないのですから、業者が慌てるのも当然です。それだけではありません。ヨシダにとっては、分譲して終わりという話ではなかったのです。
「ここの最上階角部屋に住むアンタにとっては、不便なこった」
祖父がもらえるはずだった最上階角部屋を奪ったのはヨシダだったのです。他にも、この悪徳業者の社員たちが最上階を牛耳っていたらしく……。加えて、下層階の部屋は相場より高値で売られていたことも発覚。それを独自の情報網で突き止めた祖父が行動に出たようでした。
契約書はない!
「嫌がらせにもほどがある! そもそもマンション建設時に通行を認めると言ったでしょ」と焦るヨシダに、祖父は開き直ったのだそう。
「建設が終わるまでは使ってもいいと言ったんじゃ。私有地に入るなら、それこそ警察呼んでも構わない。契約書には永久的に通行可だなんて書いとらんからな」
そう。祖父を敵に回したのがヨシダの運の尽き。まさか自分のセリフをそのまま返されるとは思ってもいなかったでしょう。
その後、配達や引っ越しのトラックがマンション前に入れないことや、荷物の出し入れを不便に感じた住人たちは、マンション業者にクレームを入れるようになりました。








