数年後に再会
心ないSの言動に傷付いた私は、その後長らく落ち込んだままでした。
しかし、とあるご縁で知り合った女性のHが、傷付いた私に寄り添い、癒やし続けてくれました。そうして数年後、ようやく立ち直った私は彼女と婚約。私がプロポーズをしたら、彼女は大泣きして喜んでくれました。
婚約記念に旅行に出かけた私たち。予約した高級ホテルに着き、彼女がお手洗いに行っている間に私がチェックイン手続きをしていると……。なんと、あのSとバッタリ遭遇してしまったのです。
彼氏らしき男連れのS。あえてそっぽを向いていた私に気付くと、向こうから絡んできました。
「うわ、久しぶり~。ここ、高級ホテルなんだけど……。また女にいい顔して、借金でもしてきたわけ? それに比べて私の今彼は 大企業〇△社のエリート社員よ? どこかの誰かさんと違って、婚約指輪には大きなダイヤも付いているわ」
実は私は…
すると、Sの横にいた男が私を見て、血相を変えたのです。「あなたは……! 彼は、わが〇△社の次期社長じゃないか!」
訳がわからない様子のSは、ポカンと口を開けています。「次期社長!? でも数年前、あんたはただの貧乏サラリーマンで……」
私は静かに言いました。「あのとき君は、人の話も聞かず、私に借金があるだの貧乏だのと決めつけていたっけ。実は私、女運がなくて……。就職してからの元カノは皆、金目的で私と交際していたから、君には黙っていたんだ。金じゃなくて、私自身を愛してほしかったから」
と、そこでHが登場。私たちの会話が聞こえていたらしいのです。彼女は、「あなたがSさんですか? お話は聞いています、初めまして。私は〇△社の会長の孫娘、Hと申します。この人の婚約者です」と言いながら、Sに左手の薬指の指輪を見せました。
SSはビックリ仰天。「それって昔、私に渡そうとしていた手作りの婚約指輪に付いていた貧乏くさい石……!」








