思わず叱責!
しかし今日はもう株主総会当日。私たちは総務部総出で社内の大会議室を片付け、何とか全員分の椅子を並べました。
するとダメ御曹司は、手伝いもしなかったくせに「貧相だな~。もっとドーンと派手な設営はできないわけ?」と文句を言ったのです。自分のミスが原因で急ごしらえの会場になったというのに、何という態度でしょう。
その言葉を聞いて私はブチキレました。「いいかげんにしなさい! 社長の息子だからっていい気になって。反省どころか自分のミスを棚に上げて文句をつけるなんて!」
皆の前で注意されたことに逆ギレした彼は、私に反論してきました。「生意気な! 親父に言ってクビにしてやる! いや、どうせ将来は俺が社長になるんだから、この場で俺が直接クビにしてやる!」
と、そのとき……。
祖父が登場
会議室の入り口から男性の声がしたので、私たちはいっせいに振り返りました。するとそこには私の祖父が立っていたのです。
そして、廊下からやって来た社長も顔を出しました。「これは会長! 今年は突然会場が変更になって申し訳ありません。私も今朝聞きまして……」
「いやいや、ワシも懐かしい会社に来られてうれしいよ。孫とも久しぶりでな。最近遊びに来てくれないからバアさんも寂しがっているぞ」「ごめんごめん、最近忙しくて……。でも、社内でプライベートな話はだめよ。孫だろうと何だろうと社員は皆同じだって、おじいちゃん自身が言ったのよ」
私たちの会話についていけない御曹司は、「か、会長? ま、孫娘?」とぼう然としています。
「知らなかったのか? 彼女は総務部の優秀なメンバーであるだけでなく、オーナー会長のお孫さんだよ。私はただの雇われ社長。何の勘違いか知らないが、お前が社長になどなれるはずがない」
どうやら社長は今回の騒動で初めて、自分の息子が仕事もせずに横柄な態度を取っていたという実態を聞いたようでした。








