父娘からの嫌がらせがエスカレート
こうして翌日から、私は部長父娘に目を付けられることになりました。あるときはオフィスにいる全員の前で部長にガミガミ叱られ、あるときは大量のコピーを押し付けられ、あるときは仕事に無関係の嫌みを浴びせ続けられ……。
さらに別の日には、部長から会議室に呼び出されました。なぜか娘のほうも会議室にいて、スマホを没収された後、聞くに堪えない暴言で3時間も2人から罵倒され続けたのです。これにはもうビックリ。パワハラ&モラハラ以外の何物でもありません。しかもちゃっかりスマホを没収して、証拠を残されないようにしているところも悪質です。
しかしついに、その日々が終わる瞬間がやってきました。それはある朝、廊下で2人とすれ違ったときのこと。
私は「お疲れ様です」とだけ会釈し、そのまま立ち去ろうとしたのですが……。何かにつけて私をいたぶる2人は案の定、言いがかりをつけてきました。
「何だそのあいさつは、それでも社会人か? 親からどんな教育を受けてきたんだ?」「パパの言う通りだわ! パートのくせに生意気なのよ。親の顔が見てみたいわ」
実は私…
親の顔? 見たいというなら……。私は苦笑しつつ、「親ならそこにいますけど?」と答えました。
部長と娘が背後を振り返って大仰天。「社長!?」「私が親ですが、娘が何か?」
そう、実はこの会社の社長は、私の母親なのです。2人は慌てふためいて騒ぎだしました。「ちょっと待て……パートの社長が母親って?」「パパ……。そんなの私、聞いていない」
「まあ、誰にも言ってませんから。私、資料の整理や電話対応などの雑務を任されたパートでもありますが……。本当の仕事は、あなたたち2人の調査だったんです」
「そう。前に自主退社した社員がいましたが、原因はあなたの嫌がらせだったとか。とはいえ証拠がなかったので、娘を送り込んだのよ」
私は母に、「証拠なら取れたわ。これ、録音」と言ってスマホを渡しました。実は先日、会議室で長時間暴言を浴びた際、私はもう1台スマホを隠し持っていたのです。
「そ、そんな……」と、しどろもどろになる父娘に、母は宣言しました。「これで正式に処分を下せます。ちなみに元社員は、あなたを訴えるそうよ」








