1年が経過
「親友でしょ、助けてよ!」と開口一番、私に泣きすがる彼女。泣きすがりながらも高飛車です。
「よくこの農場に来られたもんね? そっちは計画通りひとりで大儲けしてるんでしょ?」
私はわざとそう言ってやりました。今さら泣きついてくるなんて、うまくいっていないに決まっていますから。業界内でも彼女の新会社の話はとんと聞かず、
「そ、そ、それが……。トマトが全然できないの! なんでよ!?」
それはそうです。土壌や水が違うところで、思い通りのトマトを簡単に作れるなんて大間違いです。
「ひとりで儲けたいからって私たちを裏切ったのはあんたよ。勝手に出て行ったあんたを助ける理由も義理もないわ。優秀な社員たちまで引き抜いたくせに……」
すると彼女は消え入りそうな声でこう言ったんです。
「お願い……。この農場に戻して。もう一度、共同経営者としてここでやりたいのよ!」
そーれーはームリ!
私は即座に却下しました。「それはムリ。去年あんたが出ていくときに事業はすべて処理したでしょ? 勝手に資金を新会社に流していたことだって、裁判沙汰にせず収めてあげたっていうのに……」
そこに私の両親がやって来て、事態を察知。私の代わりにブチ切れしてくれたのです。
「いまさら、どのツラ下げてやってきたんだい? ここはあれから、うちの娘とパートさんたちが協力して支えてきたんだ。儲けをひとり占めするために裏切った人間は、この農場に立ち入る資格はない。もうあんたの居場所はないんだよ」
「悪いけど、私、取材が入っているから。もうこの話は終わりよ」と私がそう切り上げると、彼女は目に涙をためて、ブツブツつぶやきながら部屋を出ていきました。








