母に告げた真実
弟は、怒涛(どとう)の勢いであの鬼母にメッセージを送りつけました。「兄さん今、拠点はアメリカだよ。大学在学中に制作したアプリが話題になって、米国の超有名企業に入社。ただ試験勉強ができただけの僕とは違う。発想力や実行力、人間力のどれもがすごいんだ」
「僕も今までやりたいことが見つからず、ただ母さんの言うことを聞いてきた。でも就職先が決まって、兄さんの活躍を見て、決心したよ。卒業後は自分の力で生きていく。このまま実家には帰らない」
こうして、これまで理想の押し付けに苦しんでいた弟も、ようやく呪縛を解くことができたのです。
その後、どういう手段を取ったのか、なんと母から私に連絡がありました。どうやら、就職後の弟に生活の面倒を見てもらうつもりでいたようで、あちこちで散財し、金策に困っているようなのです。しかし、謝りもせず金をせがみ、しまいには「私は実母よ? 見捨てる気?」とヒステリーになる彼女の声を聞いて、私は迷いなく断言しました。
「5年前に捨てられたときから、俺には母親はいない。その家を売って、自分で何とかしてください」
それからも何度も電話がありましたが、すべて無視……。大人になった今も、あのときどうすべきだったのか、正直わかりません。しかし、私たちのためと言いながら、母はずっと自分の自尊心と今後の生活のために高学歴・高収入の息子を作り上げようとしてきました。
私も弟も、それぞれ別の人間です。これから先、母自身も自立して心を入れ替えてくれたら、また違う形で再会できるかもしれませんが、それはまだ今ではないようです。
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兄と弟で差別待遇をしてきた鬼母。理想の強要につらい思いをしてきたのは2人とも同じでした。最終的には両者から縁を切られてしまいましたが、これで目を覚まし、改心してくれるといいですね。いつか母と兄弟3人で、和解できるときが来ますように……。








