ひとりマウントの暴走
さらに自信満々で「私は社長にほれられているのに!」と豪語し始めました。「妻だって言っても、あなたみたいな古株、今に見ていなさい! もう社長の気持ちは冷めかかっているわ……。だって彼、私の魅力にゾッコンになっているもの」
その場にいた同期たちは笑いをこらえきれず、私もあきれ果てるばかり。しかし、A子はさらに攻撃的な態度をとったのです。
「今日にでも別れてよ! オバサンは早く離婚してくださーい」と絶叫したA子がさすがに面倒くさくなった私は、ニッコリ笑ってこう答えてあげました。
「うん、いいよ!」
その瞬間、A子は文字通りぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいました。
「やったー、これで社長は私のもの! もう二度と社長に近づかないでくださいね!」
社長の登場!
そこへ、満を持して(?)社長が登場。A子は喜色満面で彼の腕にすがりつきました。「聞いてください社長! 今の奥さんとは離婚して、ついに私と結婚できますよ!」
「はい?」と、社長は大きくため息。そして真実を伝えたのです。「君は大変な誤解をしているね。僕たちは姉弟だよ。社内では身内関係を大っぴらに言いはしないけれど……。結婚した覚えは一度もない」
A子は「え? は?」と混乱しつつも、「でも社長、私のことが好きなんですよね? しょっちゅうこちらを見つめていたじゃないですか!」と希望を捨てません。
「それは……。君の言動に困っていて迷惑だという苦情があちこちから人事部に届いてね。今は試用期間だから、少し監視させてもらったんだ」








