
私はとある老舗旅館で若女将をしています。料理人をしている夫はこの旅館の跡継ぎでもあり、新婚1年目でした。ところがそんなある日、館主である義父が病に倒れて急逝し、義母が女将として後を引き継いだとたん、経営が傾き出したのです。
★関連記事:「貧乏人はダメ!」「時代遅れだろ!」「縦読みすると…」2024年「スカッと体験談」人気ランキングTOP3
波乱の幕開け
女将業とオーナー業を兼業するようになった義母ですが、経営のいろはも知らない様子。昔から自分大好きな性格で、気が向いたときだけ旅館に顔を出すのです。
「ねぇ、今日泊まっている若いイケメンの子たち。女将が美人だって騒いでいたから自撮りに入ってあげたのよ」と良いように勘違いする義母の発言に、思わず「は……?」と絶句する日々です。
さらに、相変わらず美容のためと称して高級化粧品を買いあさり、現場のことは放置してエステ通いに明け暮れる始末。そんな義母が経営者となった旅館は、顧客サービスが悪くなったと厳しい評価が付けられ、あっという間に宿泊客が激減。廃業寸前へと追い込まれてしまいました。
経営を立て直すには?
途方に暮れた私と夫のもとに、弟から電話がかかってきました。実は弟は、写真家として活動中。「和のおもてなしを前面に出した旅館にしたらどう? 今はインバウンド需要が高まっているからね!」とアドバイスをしてくれました。
義母にももちろん相談しましたが、興味がなさそう。「あんたが勝手にやる分には構わないわ。余計な経費はかけないでね」とのことです。
私は、積極的に和の要素を取り入れ、SNSを活用して海外へもアピール。夫も料理に工夫を重ね、従業員の皆にも「おもてなし」の精神を徹底してもらうように心がけました。
すると……。数カ月のブランクを経て、見事に売り上げが回復。外国人観光客が増加したのが何よりのきっかけです。旅館は再び活気を取り戻し、皆が感謝してくれたのですが……。義母だけはまたも勘違い。「私の美しさのおかげでリピーターが増えたのよ!」と、まさかの自画自賛をしていました。








