社長の決断
とそのとき、社長がおもむろに口を開きました。「君は中卒なのかね? そうか、わが社に中卒が……」
A男は気を良くしてペラペラ続けます。「そうなんです社長、今どき中卒ですよ? ヤバくないですか? ちなみに俺は有名大の卒業生でして……」
「それで彼女に帰るように言っていたのか……。なら、パーティーは中止だ。帰るぞ!」
青ざめる私に意味ありげな視線を残して、社長はきびすを返して会場を後にしてしまったのです。
A男はニヤニヤしながら私に言いました。
「おい、どうするんだ。お前みたいな中卒がいることで、社長がお怒りになったじゃないか!」
驚きの新事実
しかし、偉ぶるA男に、課長がひと言。「お前、社長が中卒なのを知らなかったのか?」
これには皆、大仰天。「中卒でここまで大きな企業を作り上げた社長に対して、学歴マウントなんて……。パーティーを中止するなんて、よっぽどだぞ!」。A男は顔面蒼白になりました。
さらに、なんというタイミングでしょうか。祖父母が現れて、私には目もくれずA男に名刺を差し出したのです。
「私は今日の招待客だったんじゃが……」
実は祖父は、某企業の会長を務めています。「有名大学卒なら優秀なはず。わが社に来るかい?」とニッコリ。これを聞いたA男は「ぜひ! 俺は、中卒社長の負け組企業でなんか働きたくない」と本音を漏らしたのです。








