我慢の限界!
翌日、変わらず手鏡ばかりのぞき込んでいるA子に仕事を頼むも、「ブルーライトは肌に悪いのでパソコンを消しました~」と無茶苦茶な返答です。
「部下に仕事を振るのが私の仕事です。あなたも社員の1人なのだから、自分の職務をまっとうしてください」と伝えると、「社長令嬢に命令するの? パパに言いつけるから!」と逆ギレしました。
今回は冷静だった私は、ことのてん末を部長に相談。すると部長は、「彼女の仕事は君がやれ。ただ、その成果は彼女のものにしてやるように」とまさかの理不尽なお達しがあったのです。
私はついに、社長室に直訴しに行きました。そう、A子の父親です。さすがに一企業の長ですから、理不尽なことには誠実な対応をしてくれると望みをかけていたのですが……。
社長室にはすでにA子がいたのです。ニヤニヤ笑いをする娘を知ってか知らずか、社長は私に激怒したのでした。
「君はクビだクビ! 娘にあれこれ言いつけるなんて許せん!」
予想の斜め上へ
と、そのとき。廊下からカツカツと歩いてくる足音が響いてきました。そして、ノックの音。社長が答える間もなく、すぐに社長室の扉が開いて……。
訪ねて来たのは、なんとこの会社の会長と、そして私の弟でした。
「やあ皆さん、おそろいで。実は僕、今度ここの取締役会長に選ばれまして」
「はっ……?」
思わず社長とユニゾンしてしまうほど驚がくした私。「な、何かの冗談ですよね?」
もともと、「思い立ったが吉日」をモットーにしている風変わりな会長だというのは聞いていましたが、どういう経緯なのでしょう。
「私は会長職に飽き飽きだ。後任は優秀な人と決めていてね。こちらの彼は有能な人物だ。さまざまな企業のピンチを救ってきた、マネジメントのプロだよ。縁があってアメリカで知り合ったんだ」








