
夫はいつでも強気の人でした。子どもに対しても常に厳しく怒ってばかり。妻の私に対しても暴言を吐くことがしばしばで、のんびり屋でいいかげんな私はよく「ボケ」とか「何やってんだ」「お前のせいだ」と言われました。
そんな夫が弱音を吐いたのは、転勤して専務に昇進してから1カ月がたったころ。連日帰りが遅く、夜の22時を過ぎました。最初は通勤距離が1時間ほど長くなったためかと思っていましたが、そうではなかったのです。転勤後、メンタルが崩れていたと思われます。
ある日、私は彼らしくないつぶやきを聞きました。「もうダメだ」と。以来、夫は顔色が悪く生気のない顔つきになり、休日になると電気もつけず、リビングのソファや寝室のベッドにぼーっと座っていることもありました。会社には無理やり行っているような感じだったと思います。
どうも新しい職場での仕事がうまくいかず、落ち込んでしまったようです。部下を管理する重圧に耐えられないこと、前任者よりも自分が劣っていると思ったことが大きな原因と考えられます。私は彼が途切れ途切れに話す言葉を聞く以外、何もできませんでした。







