パンを売り切るまで帰るな!
翌日も出勤した私を見た店長は、「辞めたかと思ったけど、来たのか!」と朝から嫌み。そして、「おい、パート! この大量のパンが見えるか? 全部売るまでお前は帰れないからな。覚悟しておけよ!」と命令してきたのです。
先輩ママさんに聞くと、この日は月に1回のイベントのため、たくさんのパンを仕入れたのだとか。その話の通り、店頭だけではなく倉庫にも大量のパンが鎮座。「売れなかった分はパートがすべて買い取れ」と居丈高な店長は、さっさと店の奥へと引っ込んでしまいました。
こうして、開店から一生懸命パンを売り始めた私たち。しかし、思うようには売れず他のパートさんたちはすっかり諦めモードに。
一方店長は、必死にパンを売る私たちを見て「こりゃいい。売れなくてもどうせお前たちが買い取るんだもんな。これで今日の売り上げは安泰安泰」とせせら笑っていました。
さすがに頭に来た私。しかしこちらには、とっておきの秘策があったのです。
SNSで大集客
私はスマホでちゃちゃっとイラストを作成。それをSNSに投稿しました。実は私、趣味でインフルエンサー活動をしているのです。
SNSでパン屋のパートを始めたことや、今日がイベント日だということを拡散したところ……。ありがたいことに、人が集まってきたのです。その中には10個も20個もパンを買ってくれるなじみのママ友もおり、大量にあったパンの在庫はあっという間になくなりました。
とそのとき、社長がお店に登場しました。「完売は不可能だ」と高をくくっていた店長がわざわざ呼び出したようです。「社長! この新人パートが伝票を見間違えて大量のパンを仕入れてしまったんです! 責任を取ってもらいましょう」とでまかせを伝えて、私を解雇させようとしたのです。
しかし、店内を見回した社長はニッコリ。なぜなら、パンは完売していたからです。驚いた店長は「まさか、勝手に破棄したのか!?」と私や他のパートさんを責め立てました。








