開店から1カ月、突然の電話が
私がレストランをオープンさせると聞いたA男は、苦虫をかみつぶしたような顔で私のことを見ていました。
そんなA男ともおさらばです。長年お世話になったお店を辞め、いよいよ自分のレストランで仕事をスタート。数十人のスタッフと一緒に、どうすれば店が繁盛するのか真剣に考え、いろいろと試行錯誤をする日々に突入したのです。
オープンから1カ月が経過したある日、私のレストランにA男から電話がかかってきました。
A男は、うちのレストランの経営状況を聞き、「1週間後に100人の予約を取りたい」と言ってきました。どうやら、慰労会を開きたいということで1人1万円程度で料理を提供してほしいとのこと。
私はもちろん快諾。そして、100人分の料理を用意するため、できる限り準備をすると約束しました。
「やっぱり、キャンセルで!」
1週間が経過し、慰労会の日になったのですが……。予約時間になってもA男が店に現れる様子はありません。それどころか、A男関係のお客様は誰もやって来ません。
私がA男に電話をすると……。「お前、100人の予約って本気にしたのか? そんなわけねーだろうが」と笑いながら暴露。そう、レストランに来る気は最初からなかったのです。
しかし私はまったく動じませんでした。実は、「A男のことだから何か裏がある」と思っていたのです。
A男は、「もしかして、もう100人分の料理をテーブルに運んじゃった?」とあおってきましたが、私は冷静に、「そんな予約、入ってませんけど?」と返してやりました。








