「敷居が高い」の意味は
なぜこんなにも態度の悪いA子が女将になっていたのか、気になったという母。聞けば、A子の母親が家を出てしまったため、人手が足りずに娘を女将にするしかなかったのだとか。
A子はなおも言い続けました。「でも、うちは敷居が高くて車椅子では入れないでしょ……」と。
私は気が付いたのです。この「敷居が高い」という表現、A子は本気で「バリアフリーではないから車椅子だと利用しづらい」という意味で言った様子。しかし本来の意味は、「不義理や面目ないことがあって、その家や場所に行きにくい」というものです。私が指摘するとA子はきょとん。「女将修行の前に日本語もしっかり学んでちょうだいね」と母に言われて顔を真っ赤にしたのです。
その後私たちは、平謝りする板長に豪勢な料理を振る舞ってもらい、無事に還暦祝いの旅行を終えることができました。
一方のA子はゼロから修行することになり、すっかり生気がなくなってしまったのだとか。心を入れ替えて、立派な女将になってくれたら、また傘下のお店で働いてもらいたいと思っています。
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車椅子の方への暴言は人としてありえません。相手がオーナーでなくてもそれは同じです。誰もが住みやすいように、一人ひとりが心のバリアを取り払い、バリアフリーな世の中を作っていきたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。








