母の食育の「本当のところ」

月日が流れ、私も大人になって家庭を持ち、自分が家族のために食事を用意する立場になりました。トマトを切るたびに、どこかで母の言葉がよぎり「トマトは食卓に並ぶ直前に切らなきゃ」と思っていました。母のように「今すぐ食べなさい」とまでは言いませんでしたが、心のどこかで「そうするのが正しい」と思い込んでいたのです。
ある日、ふと「母の言っていたことって、本当なのかな?」と気になり、生成AI(ChatGPT)に尋ねてみることにしました。
すると、返ってきたのはこんな内容でした。 「ビタミンCは空気や光、熱に弱いため、カットされた状態で放置すると徐々に分解されるが、空気中にすべての栄養が逃げるわけではない。すぐに大きく栄養価が下がるわけでもない」
その答えに、思わず笑ってしまいました。きっと母も、どこかでそういう話を聞いて「栄養が逃げる!」と極端に解釈してしまったんだろうな、と。その姿が想像できて、なんだか微笑ましく思えたのです。
そして後日、母から電話があった際に、この話をしてみました。子どものころのように少し緊張しながら伝えてみたのですが、返ってきたのは予想外な反応でした。
「そうなの、知らなかったわ。AIってすごいのね、何でも知ってるのね」
あまりにあっさりとした反応に拍子抜けしつつも、穏やかに話ができたことがうれしくて、じんわりと温かい気持ちになりました。
まとめ
私と母の関係性の変化、母自身の変化、そしてAIという便利な存在が生まれるほどに長い年月がたったこと……多くの変化が重なった今だからこそ、ようやく母の思い込みをほどくことができたのだと思います。
昔は今のように、調べたいことをすぐに検索できる時代ではありませんでした。そんな時代に、母は母なりに「正しい」と思うことを貫いていたのかもしれません。
かつてはどこか怖くて避けていた「母に正しい情報を伝える」という行動も、今の私にとっては、ちょっとした親孝行の1つ。これからも、無理のない範囲で少しずつ続けていけたらいいなと思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/久野多恵さん(管理栄養士)
行政において、離乳食・幼児食相談、妊娠期相談、成人期・高齢期の栄養相談・講話をおこない、幅広い層への栄養知識を深める活動をしている。現在は乳幼児の食育活動を中心とし、献立作成等にも携わる。また、フリーランスの活動として記事監修・栄養相談・レシピ作成等もおこなう。
【久野さんからのアドバイス】
トマトの栄養については、ビタミンCが光や熱、酸素に弱く、酸化が進むと効力が失われることがあります。そのため、子どもにもわかりやすく「栄養が逃げる」と伝えられることがあります。ただし、栄養価が秒単位で失われるわけではなく、加熱したからといって栄養がなくなるわけでもありません。
生のトマトの良さもありますし、加熱することで食べやすくなったり、多く摂取できたり、苦手な子でも食べやすくなることもあります。野菜の栄養は大切ですが、調理によるメリットも多くあります。SNSなどの情報を鵜呑みにせず、栄養バランスを意識して、バラエティ豊かな食卓を心がけましょう。
著者:磯辺みなほ/30代女性。ゲーマー。発達障害持ちの夫と2人暮らし。大変なことも多い中、それ以上にネタと笑顔にあふれる毎日を送っている
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
※AI生成画像を使用しています








