
会社員の私は、独身で趣味らしい趣味もなく、実家から5分ほどの場所で1人暮らしをしています。思い切って庭付きの小さな一軒家を購入し、仕事も生活も安定していて、それなりに満足した毎日を送っています。ただ、昔から人付き合いが得意ではなく、家族以外との関わりはあまり深めてきませんでした。そんな私が唯一心を許せた存在が、いとこのA子でした。
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大切な存在だったいとこ
1人っ子の私にとって、いとこのA子はいわば妹のような存在でした。明るく自由な性格で、よくピアノを弾きながら「音楽で人の心を元気にしたい」と語っていた姿は今でも鮮明に覚えています。
しかし音大を卒業した後、結婚や出産を経てA子は音楽の夢を断念。やがてシングルマザーとして娘のB美を育てることになりました。母親(私の叔母)が亡くなってからは、仕事を掛け持ちして必死に娘を育てていましたが、次第に親族とも疎遠になっていきました。
その後、A子は体調を崩し、しばらくの入院を経て帰らぬ人となってしまったのです。
忘れ形見との再会
葬儀の場で久しぶりに会ったB美は、当時15歳。少し派手な印象の外見で、親族の中には心配の声を上げる人もいました。ですが私は、彼女が抱えている大きな喪失感を思うと、ただ外見だけで判断されてしまうのは違うのではないかと感じました。
かつて私の心を支えてくれたA子への恩返しの気持ちもあり、私は思い切って声をかけました。
「もしよければ、私の家に来ない? A子は私にとって妹のような存在だったんだ」と。
驚いた表情を浮かべたB美でしたが、最終的にはうなずいてくれました。こうして私の家に迎えることになったのです。








