予期せぬトラブル
数日後、会社からFAX機能付きのコピー機が撤去されました。そしてさらに数日がたったある日、私が席を外している間に、A子さんが私のデスクに置いていた手書きの書類をシュレッダーにかけてしまったのです。
「A子さん! その書類は……!」
「パパが言っていたでしょ? これからは全部デジタルでやるんだから、紙の書類なんて不要なのよ!」
そのとき、私は冷静にこう言いました。
「わかりました。これからは、A子さんと社長の方針に従います」
内心では、最悪の事態に備えつつ、静かに行動を変えていく決意を固めていました。
逆転の瞬間
それから数週間後、主要取引先の工場長であるB山さんが慌てた様子で来社されました。
「発注書が届いていないんです! このままでは納期に間に合いません!」
実はこの取引先は、これまで私が担当していたのですが、デジタル化をきっかけにA子さんが担当に変更されていました。B山さんが説明を求めると、A子さんは慌ててパソコンを操作し始めましたが、「送信したはずなのにデータがない……」と混乱するばかり。
調べてみると、A子さんは確認を怠り、送信前のデータを誤って削除してしまっていたことが判明しました。その上、社内のデジタル化が急すぎて管理体制が整わず、混乱が生じていたのです。
B山さんは深いため息をつき、「どんな立場の人でも、仕事は仕事。責任を持って対応していただきたい。これでは、今後の取引をどうするか考えざるを得ません」と厳しい言葉を残して帰られました。








