「相続でもめぬように」…母から意外な言葉
草むしりでくたくたになった後、私が昼食の準備をしていると、居間にいた夫が母に「なぜ、ゆうこばかりに言い付けるんですか?」と問うてくれました。私は台所から聞き耳を立てています。母は昔を思い出すように顔をゆがめ、口から出たのは「遺産相続のとき、もめないためよ」との意外な言葉。
私は驚きのあまり居間に慌てて駆け付け、「どういうこと?」と聞き返します。「私たちは仲がいいじゃん。お母さんに何かあっても遺産でもめるなんて考えられないよ」。すると母は、自分の体験を語り始めました。
母は、きょうだい仲が悪くなかったものの、祖父が死んだ後、遠方に住んでいるからという理由で遺産分割の話に入れてもらえず、悲しい思いをしたそうなのです。「お金をくれとは言うつもりもないけど、思い出の品を処分する場にも呼んでくれなかったのは、本当にショックだった……」と話します。母は自身の体験から、ひとり遠方に住む私が、家族のために働いているところを妹や弟に印象付けたかったそうなのです。
まとめ
真意を知り、一連の母の言動が少しはふに落ちました。夫は母に「とはいえ、ちょっとやり過ぎでは?」と取りなしてくれ、私も「こんなにこき使われたら、もう帰省するのやめようかなと思ったわ」と本音を伝えると、母は「ごめんなさい。たしかにやり過ぎたわ」と謝ってくれました。長女だから、と思い込んでいた私は、母の意外な心づかいに驚かされたのです。
しかし、秘められた母の思いがどうであれ、不平等な扱いは新たな争いのもとになるでしょう。年を取って私が母の立場になったときは、子どもたちがお互い分け隔てなく平等に、争いなく遺産分割ができるようきちんと説明をしておきたいと思いました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
イラスト/さくら
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)







