



私は以前、小さな工場で働いていました。その工場は、もともと社長だった父親の後を、当時30代後半の娘が継いだ、いわゆる家族経営の企業でした。家族経営といっても、本当に小さな会社だったため、会長に就任した父、社長を務める娘の他は、私と同世代の女性社員が数人いるだけ。家族経営にはありがちなワンマンな様子は見られず、みんな和気あいあいと働いていました。今思い出しても、アットホームでいい雰囲気の会社だったように感じます。
事情があり数年前に工場を退職した私ですが、元同僚たちとは同世代の友人として、定期的に連絡を取り、良好な関係を続けています。ある日、その中の1人から「会社がつぶれるかも……」と連絡をもらったのです。
小さな工場とはいえ、たくさんの地元企業と取り引きがあり、少なくとも私が働いていた当時は、経営に問題があるようには感じませんでした。「たった数年で会社がつぶれるほどの状況に陥るなんて、何があったの!?」と驚いた私に、元同僚が話した内容は、耳を疑うものでした。







