無神経な父のひと言
検査結果を受け取った日、母は父にも報告しました。ところが父は、母の不安に寄り添うどころか、こんな言葉を返してきたのだそうです。
「お前、同窓会いつ行ったっけ?」
当時は、C型肝炎が性行為でも感染するというイメージが一部で強く、誤解や偏見も根強かった時代です。だからこそ父は、母が誰かと関係を持ったのではないかと、疑いの目を向けたのでしょう。母にとっては、身に覚えのない疑いをかけられる、言葉にならないほどつらい出来事だったはずです。
電話越しにその話を聞きながら、私は思わず「信じられない……」と声が漏れてしまいました。でも、そんな私の反応に、母は少し安心したように「でしょう、本当につらかったのよ」と、静かに言いました。あのときの悲しい表情の理由を、ようやく理解できた気がしました。
まとめ
今のように、C型肝炎の感染経路や治療法が広く知られている時代なら、母もあんなにおびえずに済んだかもしれません。父の誤解や疑いの言葉も、もしかしたら生まれなかったのかもしれません。情報が少なかった時代には、誤解のまま傷つく人や、信頼を失ってしまった人も少なくなかったのではないかと思います。
私自身、正しい知識を得ることで、自分や大切な人を守れる場面があることを、改めて感じました。また、過去の出来事ではあるけれど、母のつらかった思いに寄り添えたことに、少しだけ心が温かくなりました。
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※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)
獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開院。2024年に新鎌ケ谷くぼた皮膚科泌尿器科を開院、日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門は泌尿器科および皮膚のトラブル、生活習慣病を含めた内科まで幅広く診察。メディア出演も多数あり、医者YouTuberとしての情報発信もおこなっている。著書に『EDかも!?と思ったら読む本』(自由国民社)がある。
著者:磯辺みなほ/30代女性。ゲーマー。発達障害持ちの夫と2人暮らし。大変なことも多い中、それ以上にネタと笑顔にあふれる毎日を送っている
イラスト/おみき
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)








