
私は現在、精密機器を製造する小さな工場の代表をしています。ある日の午後、事務所兼自宅で、優秀な社員のA子さんと新しい取引先の打ち合わせをしていたときのことです。
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鬼電をかけてきたのは?
突然、固定電話が鳴り始め、しばらくしても鳴り止みません。
「出ても大丈夫ですよ?」とA子さんが気をつかってくれましたが、「仕事中だから後で折り返すってメールしてあるんだ」と伝えました。ところが、それでも電話は止まらず、根負けして「少し失礼します」と言って通話に出ました。
電話の相手は、離婚した元妻のB美とその両親。受話器の向こうで、元義父が怒った口調で言いました。
「今月の仕送りがまだじゃないか!」
続いて元義母も、「約束の日を過ぎているのよ。困るじゃない!」と声を荒らげます。B美は何も言わず、場の空気は険悪に。私は落ち着いて、「先月、正式に離婚が成立しています。今後のことはすでに話し合い済みのはずです」と伝えました。
一瞬の沈黙の後、元義父が「今、近くにいる。直接話そう」と言いだしたのです。
自宅に押しかけてきた元家族
数分後、本当に元義両親とB美が事務所に現れました。3人は開口一番、「どういうつもりなの?」と非難の言葉を浴びせてきます。
そして、偶然その場にいたA子さんにまで「あなた誰? 仕事中に居座ってるなんて非常識ね」と言い放ちました。私は深呼吸をしてから言いました。
「A子さんは私の社員です。突然押しかけてきたのはそちらのほうですよ」
すると元義母が、「娘の離婚の原因はあの人じゃないの?」と詰め寄ります。A子さんは冷静に、「今のお話、ちゃんと聞かれていましたか?」ときっぱり返しました。そのきぜんとした態度に、場の空気が一変しました。








