クッションが臭いと訴える子どもたち
そんなある日、小学生だった息子がリビングのクッションをくんくんと嗅いだ後に眉間にシワを寄せているので訳を聞くと、「お父さんがうたた寝するときに枕にするクッションが臭いんだよ」とのこと。
でも、父親に遠慮して面と向かっては言えないのだそうです。横で聞いていた幼稚園の娘まで、「私もお父さんが使ったクッションは嫌い」と息子に同意するのでした。
私も子どもたちも、リラックスタイムにはクッションを抱えてテレビを見たり、枕にして寝転んだりする習慣があります。
クッションから漂う夫の加齢臭問題をこのまま放ってはおけないと考えた私は、ちょうど家族の人数分あるクッションのカバーをデザイン違いで新調し、1人1個、自分専用のクッションを使うようにする「マイクッション制」を導入することにしました。
子どもたちは大喜びでしたが、帰宅した夫に話しても興味がないのか生返事。そして事件は起こったのです!
俺が使えないクッションは必要ない!
その日も夕飯を食べ終えた夫が、リビングでうたた寝を始めました。片付けをしていると、娘が半泣きでやって来て「どうしよう! お父さんが私のクッションで寝てる……」と訴えてきたのです。
かわいそうだと思った私は、寝ている夫の頭を静かに持ち上げ、夫用と娘用のクッションをそっと交換しました。
そのとき、夫が運悪く起きてしまい「何してるの?」と顔をしかめるので、「娘のクッションを枕にしていたから、交換しただけだよ」と言うと、「何だそれ?」とみるみる不機嫌に。
「みんな使い慣れた自分のクッションを使いたいんだよ」と説明しても、機嫌は直りません。
そして翌朝、私がリビングのシャッターを開けたときです。ウッドデッキに見覚えのあるクッションが4つ、放り出されているではありませんか!
起きてきた夫に「これ何?」と聞くと、「俺が使えないクッションなんて、この家に必要ないから捨ててやった!」と悪びれもせず言い放ったのでした。
小学生のような自己中心的な発言に加え、日ごろから私や子どもたちに対する高圧的な言動が目に余ると感じていた私は、とうとう堪忍袋の緒が切れました。
「クッションはあなた1人のものじゃない! 私も子どもたちも使ってるの! 大人が偉いとか男が偉いとかはナンセンス!」と逆切れしてしまったのです。
その剣幕に夫は絶句。起きてきた子どもたちも、ウッドデッキに転がるクッションを見て、あっけにとられていました。
それからしばらくの間、誰も加齢臭とクッションの話題には触れないまま、ぎこちない家族関係が続いたのは言うまでもありません。その後、夫は加齢臭を予防する柿渋エキス配合のボディソープや、足専用の洗浄・消臭ソープを次々と買ってきました。現実を受け入れ、老いにあらがおうとする夫のそんな姿はどこか切なくて、私もちょっと言い過ぎたかなと反省したのでした。
まとめ
良かれと思って導入した「マイクッション制」は、夫のプライドを傷つけ、問題をこじらせる結果となりました。夫への配慮が裏目に出てしまいましたが、この一件をきっかけに夫は自分の体臭と向き合うようになり、私もデリケートな問題を家族に伝える難しさを痛感しました。相手を思いやる気持ちはもちろん大切ですが、時にはストレートに、しかし冷静に話し合うことも必要なのだと学んだ出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
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※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています







