
もともと家族との折り合いが悪く、高校を卒業してすぐに家を出た私。実家とは長い間ほとんど連絡を取っていませんでした。そんなある日、SNSで大学時代の友人・A男の結婚報告を目にしました。久しぶりのうれしい知らせに「おめでとう」とコメントしようとしたところ、投稿のタグに見覚えのある名前を見つけて、思わず手が止まりました。――そこにあったのは、実の妹の名前だったのです。
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疎遠になった家族との距離
私が家を出たのは18歳のとき。当時、父とは進路のことで衝突し、母も妹の味方ばかり。私は「自分の居場所はない」と感じ、就職と同時に地元を離れました。以来、実家には帰らず、年賀状すら出さないまま年月が過ぎていきました。
妹がどんな生活をしているのかも知りませんでしたが、SNSに投稿されたウェディングフォトには、まぎれもなく妹の姿がありました。
相手は大学時代に何度も飲みに行った友人・A男。偶然とはいえ、あまりの展開に頭が真っ白になりました。
「兄はもういないことにしている」と聞いて
数日後、共通の友人づてに、妹がA男と婚約した経緯を聞きました。
「妹さん、家族とは縁を切ったって言ってたよ」
「お兄さんはいないって……」
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がズキンと痛みました。「いない」というのは、亡くなったという意味ではなく、「もう関係を断った」ということなのでしょう。けれど、血のつながりを消すような言葉を妹が口にしたと聞き、ショックを隠せませんでした。
それでも、妹の幸せを祝いたい気持ちは本物でした。私はA男に直接連絡を取り、「突然で驚かせてごめん。おめでとう、式の日に少し顔を出してもいいかな」と伝えました。A男は一瞬戸惑ったものの、「来てくれたらうれしい」と笑ってくれました。








