
会社員の私は、父の還暦祝いに母と3人で高級レストランを訪れました。父は普段あまり服にこだわらないタイプで、この日も昔から愛用しているジャケットを羽織っていました。私にとっては懐かしいその服が、まさか思わぬ「誤解」のきっかけになるとは思いもしませんでした。
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入店時に起きたちょっとした行き違い
予約していた時間にお店へ到着すると、受付には若い男性スタッフが立っていました。私が「予約していた者です」と伝えると、彼は父の服装に一瞬目を留め、少し戸惑ったような表情を見せました。
「こちらはフォーマルなお店ですので……上着をお預かりしてもよろしいでしょうか?」
その言い方がやや強かったためか、父は「服装を注意された」と感じたようです。「すみません、やっぱり別の店にします」と静かに言い残して踵を返しました。
母も私も驚きましたが、父は「気持ちよく食べられないだろう」と穏やかに笑うばかり。せっかくの還暦祝いが台なしになりそうで、私は思わずスタッフに声をかけました。
誤解が解けるまで
慌てた様子で支配人らしき男性が駆け寄ってきて、「お待ちください」と頭を下げました。事情を聞くと、先ほどの若い男性は研修中の新人スタッフで、「お客さまの上着を丁寧にお預かりしようとしたところ、言葉選びを誤ってしまった」とのこと。
どうやら、「フォーマルなお店ですので」という言い回しを、父は「服装を注意された(ドレスコードを注意された)」と受け取ってしまったようでした。
父に事情を説明すると、「そういうことか」と苦笑しながら戻ってきてくれました。








