
私は自動車整備工場で働いており、日々の点検では自作の診断ソフトを補助的に使っています。ある日、取引先メーカーの新車について改善点の提案をしたところ、同じメーカーを担当している同僚のBさんが不機嫌になり、私の意見やソフトを否定されてしまいました。落ち込んだ気持ちのまま帰宅していたところ、道路脇で困り顔の高齢男性を見かけたのです。
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道端で出会った困りごと
男性の車はボンネットからうっすらと白い煙が出ており、明らかにトラブルの様子でした。私はすぐに声をかけ、持っていた自作ソフトで原因を一緒に確認しました。
「この車、長く大切に乗られてきたんですね」と伝えると、男性は少し驚いたように私を見つめ、「整備士さんか」と尋ねてきました。
工場までお連れして状況を説明し、「時間はかかりますが必ず直します」とお伝えすると、男性は丁寧に頭を下げ、提示した見積もり額を見て「こんなに良心的でいいのか」と感心している様子でした。その姿に、私も自然と気持ちが和らいだのを覚えています。
翌日の工場で起きた騒動
翌日、工場へ出勤すると、Bさんが工場長に「納期が遅れているのは私のせいだ」と強く訴えていました。工場長は冷静に「原因を一緒に確認しよう」と諭してくれましたが、空気はぴりついていました。
そこへ、取引先メーカーの担当秘書という女性が来訪しました。彼女は「安全性も品質も大切です」と落ち着いた声で話し、場の空気が少し変わりました。
Bさんが強い口調で反論しようとしたところ、その女性は名乗りました。
「昨日こちらの整備士さんに助けていただいた高齢の方は、私の祖父です」
一瞬、場の全員が驚きました。








