
それはまだ祖母が自宅で生活していたころのこと。祖母は若いころの病気が原因で左手が不自由な上、膝を壊しており、あまり動くことができませんでした。それでも住み慣れた自宅を離れるのは断固拒否していたため、祖父の死をきっかけに、隣の市に住んでいた母が、頻繁に祖母宅に通うことになりました。
私はそのころ母とは別に暮らしていましたが、週に何回かは実家に顔を出していました。そんな生活が始まったある日、実家にいたとき、いつもと違うにおいを感じたのです。最初は「何のにおいだろう?」と不思議に思う程度で、あまり気にもしていなかったのですが、だんだんと違和感が強まりました。
気になって、においのもとを発見しようと意識していたところ、どうやら母とすれ違ったときにより感じることがわかりました。それとなく話を振ってみても、洗濯洗剤を変えた様子もなく、何かにおいが付きそうなこともやっていなそう。私は「いよいよ母も加齢臭が始まってきたんだろうな」と考えていました。
それならそれで、加齢臭対策のボディーソープをすすめるなど、少しでも対策を促すようにしなければと頭の片隅で思うようになってしばらくして、事態は意外な方向に向かいます。








