我慢の限界で、つい本音が…
ある日、「ご主人はどんなお仕事?」と聞かれ、「建築関連の仕事です」と控えめに答えました。すると、「大変なお仕事よね」と言いつつ、こちらの生活状況を推し量るような話が続きました。
静かに暮らしたいだけなのに、なぜここまで詮索されるのだろう……。そう感じた私は、思わず言ってしまいました。
「私、高層階の部屋を借りるつもりはもともとないんです」
すると3人は「借りられないからでしょ?」と軽い調子で返してきました。私はその言葉を遮り、静かに続けました。
「借りないんです。というのも、このマンションの所有者のひとりなので」
説明すると、状況は一変
実は私は、このタワーマンションの区分所有者のひとり。これまでは一軒家に住んでいましたが、夫の高所への不安を考慮し、低層階が空くまで入居を控えていたのです。私は落ち着いた口調で続けました。
「最近、住民の方々から共用部分に関するご意見をいただくことが増えています。特定の住民への注意喚起が必要かどうか、管理会社とも相談しています」
それを聞くと、3人は驚いたようで、表情が一変しました。しばらくして、3世帯とも別の場所へ移ることを決めたと聞きました。環境を変えたかったのかもしれません。
3人が引っ越してから、ラウンジやエントランスは以前より穏やかな雰囲気になりました。もともと気さくな住民が多いマンションだったため、自然と会話も増え、私自身も安心して暮らせるようになりました。
つい最近仲良くなった3階の奥さんとは、今度ランチに行く予定です。引っ越してきてよかった、と今は素直に思えています。
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低層階には、「移動がしやすい」「共益費を抑えられる」などのメリットもありますし、上層階には上層階の魅力があります。同じ建物に住む仲間として、互いに思いやりを持って過ごせれば、それが何よりですよね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。








