寝室から楽しそうな祖母の声…表情も穏やかに
ある日、いつものように祖母宅へ介護に行くと、玄関に知らない人の靴が。そして、寝室から祖母の笑い声が聞こえてくるのです。何事かと慌てて向かうと、そこには知らない高齢の男性と、楽しそうにしている祖母の姿が。
あっけにとられている私に、男性は「もしかしてお孫さん? 美代子さん(祖母)からよく聞いてます」と笑顔を見せます。そして、「最近連絡が取れず心配していたけど、寝たきりになっていて驚きました。でも、相変わらず明るい美代子さんで、安心しましたよ。これから私もお世話に来ますからよろしく」と快活に話し、すぐに帰って行きました。
祖母を見ると、いつもと違う穏やかな表情。私に向かって「ゆりちゃん、今日も来てくれたのね」と微笑みます。まったく状況がわからず、母に急いで電話をかけると、「あ、その人は山本さんっていうおばあちゃんの知り合いよ。変な人じゃないから安心して!」と母。祖母と付き合いの長い山本さんが祖母を心配し、自ら介護を申し出てくれたというのです。
それからは、母と私と山本さんの3人での介護がスタート。山本さんは、トイレの介助をはじめ、祖母の身の回りの世話を手際よくこなし、私が行く必要がないくらい祖母にしっかり寄り添ってくれました。なんと言っても、山本さんが来るようになって以来、久しく見られなかった祖母の笑顔を度々見られるようになったことが、私たち親子にとって一番ありがたいことでした。
その後、祖母は介護施設に入所。病気を患い病院と施設の行き来を繰り返し、亡くなるまで自宅に戻ることはありませんでした。
まとめ
山本さんは、祖母が施設に入所してからも見舞いに訪れ続け、最後まで寄り添ってくださいました。この出来事を通じて、身内でもないのに一切のやましさや思惑などなく、献身的な愛を示せる人がいることに深く感動しました。祖母にとって「救世主」であった山本さんの姿は、私自身が今後、他者にどう接していくべきかという大切な気付きと学びを与えてくれました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:里 ゆりこ/40代女性。海がある小さな街で夫と2人で暮らす。中古で買ったオールドレンズにハマり、休日は地元の海や自然の写真撮影が趣味。
イラスト/マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)








