
私は32歳の会社員です。職場環境には概ね恵まれているのですが、1つだけ頭を悩ませている存在がいました。それが、「自分は若く見える」と強く信じて疑わない49歳の先輩社員・A子です。A子は年齢を重ねていること自体が問題なのではありません。ただ、職場にそぐわない派手な服装や振る舞いが目立ち、周囲がどう対応すべきか戸惑う場面が多かったのです。それでも直接的な実害がなかったため、私たちは「個性の1つ」と割り切り、深く関わらないようにしていました。
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フレッシュな新人の入社で空気が一変
高校を卒業したばかりの18歳の新人・B美が入社してきたのです。私が教育担当になり、業務を教えることになりました。B美は、少し抜けているところはあるものの、とても素直で一生懸命。パスワードを手の甲にメモしてしまうような天然さに驚かされつつも、周囲から自然とかわいがられる存在でした。
職場全体が明るくなった一方で、その変化を快く思わない人物がいました。そう、A子です。A子はB美に対して、あからさまに不機嫌な態度を取るようになりました。
「最近の若い子はちやほやされていいわよね」といった発言が増え、次第に男性社員への過度な接触や私的な絡みも目立つように。仕事が滞り、他の社員に負担がかかる場面も出始め、ついに上司である部長が注意をしました。
ところがA子はそれを冗談のように受け止め、「私がモテるから周りが気にしているだけ」と受け流したのです。注意しても改善されず、職場の空気は徐々に重くなっていきました。
社食で起きた決定的な出来事
転機が訪れたのは、ある日の昼休み。社内食堂で同僚と話していると、B美が合流しました。すると、数人の男性社員が冗談交じりに声をかけ、ちょっとしたやりとりになったのです。
そこへA子が割って入り、B美に対して感情的な言葉を投げかけました。「若いから注目されているだけ」「年を取ったら普通になる」など、聞いていて胸が痛くなる内容でした。
その場の空気が凍りついた、まさにそのときでした。沈黙の中、B美が首をかしげながら、悪気なく「A子さん、失礼ですがおいくつなんですか?」と言ったのです。
A子は自信満々に「いくつに見える?」と返しました。少し考え込んだB美は、家族の年齢を例に挙げながら真剣に推測し、最終的に「50代後半くらいかなって思いました」と思ったままを口にしました。さらに、屈託のない笑顔で続けたのです。
「その年齢であの服装に挑戦できるのって、すごい勇気だと思います!」
悪意のない、しかし残酷なほど純粋なひと言に、その場にいた全員が息をのみました。A子さんがこれまで必死に守ってきた「若見え」という盾が、音を立てて崩れた瞬間でした。








