
会社員の私は、小学生のころに両親を事故で亡くし、7歳年上の姉と2人で暮らしてきました。姉は進学を諦めて働きに出て、生活を支えながら私を育ててくれた存在です。
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人生経験のある姉が感じていた違和感
そんな姉は、派手なことを言うタイプではありませんが、人やお金に関してはとても慎重で、現実的な判断をする人でした。私が交際相手のA也を紹介したときも、表立って反対することはなかったものの、どこか距離を保っているように見えました。
28歳になり、A也からプロポーズを受けたと報告した際も、姉は祝福してくれました。ただ、その表情は少し考え込むようなものでした。
「急がなくていいことだけは、覚えておいて」
それが、姉から私に向けられた、最初で最後の助言でした。
ご祝儀を巡って露わになった価値観
結婚式当日。控室で、姉は「お祝いだから」と言って、私にご祝儀袋を手渡してくれました。中には、身内としてごく一般的な金額が包まれていました。
ところが、その袋を見たA也は、私に確認もせず中身をのぞき込み、不満そうな表情を浮かべました。
「身内なんだし、もう少し包めたんじゃない?」
冗談めかした口調でしたが、その言い方に私は違和感を覚えました。すると彼は続けて、「副業もしてるって聞いてたからさ」と、まるで金額を評価するような発言をしたのです。
その様子を見ていた姉は、何も言わず、ただ静かに席を外しました。その背中を見たとき、私は胸の奥がひどくざわつきました。








