大口調達を巡って起きた違和感
しばらくして、新製品が好調で大量の追加注文が入り、大規模な資材調達が必要になりました。部長から指名され、この業務を私が担当することになったのですが、A木さんは「この仕事は経験者の自分がやるべきだ」と強く主張しました。
部長が間に入り、その場はいったん収まったものの、実務が始まると再び口を出してきます。
「まずは徹底的なコスト削減だ。調達は自分がやる」
私は、「これまでの取引経緯や製造スケジュールを把握しているのは私です」と説明しましたが、納得しない様子でした。そして突然、「もう今日は帰っていい」と言われ、半ば強引に業務から外されてしまったのです。
会社を揺るがす重大な発注ミス
約1カ月後のある日、部長が慌てた様子で現場に駆け込んできました。
「B社の部品が大量に届いている!」
B社は、過去に品質面で問題があり、契約を見送ってきたメーカーです。社長も驚き、「誰が発注したんだ?」と問いかけました。
そこでA木さんが、「自分です。知り合いがいるので半額以下で仕入れました。ほかの発注もキャンセルしてあります」と得意げに答えたのです。
しかし、その部品は品質基準を満たしておらず、さらに私が正式に手配していた部品まで無断でキャンセルされていたことが判明しました。現場は一気に緊迫した空気に包まれました。








