
以前勤めていた会社が廃業となり、同じ業界での再就職を目指して転職活動を続けていた私。ある企業の面接当日、駅へ向かう途中で思いも寄らない出来事が起こったのです。改札へ向かって歩いていると、正面から来た高齢の男性が、私の目の前で突然バタッと倒れてしまいました。
★関連記事:「清掃員のくせに」と見下した新人女性。職場の空気を一変させたひと言とは
見過ごせなかった緊急事態
慌てて駆け寄ると、男性は腰と膝を痛めた様子でしたが、「もう大丈夫だよ、ありがとう」と言って、ゆっくり立ち上がろうとしました。しかし数歩進んだところで再び立ち止まり、その場にうずくまってしまいます。
「タクシー乗り場まで行ければ、あとは帰れるから」と言うものの、その足取りは明らかに不安定でした。私は放っておくことができず、「それなら、タクシー乗り場までご一緒します」と声をかけました。
駅員さんにも協力をお願いし、2人で男性を支えながら、なんとかタクシー乗り場まで付き添いました。
面接辞退を覚悟した電話
ようやく男性を見送り、われに返ったときには、すでに乗る予定だった特急の出発時刻は過ぎていました。私は一旦気持ちを落ち着かせた後、事情を正直に説明し、面接先の企業へ辞退の連絡を入れることにしました。
「駅で倒れた方の対応をしており、電車に乗り遅れてしまいました。大変申し訳ありませんが、今回の面接は辞退させてください」
すると電話口の担当者は少し沈黙した後、「事情はわかりました。一度、こちらへ来てください」と言ったのです。








