準備不足が露呈したプレゼン当日
迎えたプレゼン当日。A山は英語での説明を担当しましたが、想定より内容が不十分で、説明も要点を欠いていました。事前の情報共有も限られており、教授陣が戸惑う様子が伝わってきます。
私は当初、進行を尊重していましたが、部長からの合図を受け、用意していた補足資料を使って、日本語と英語で企画の趣旨と実施内容を説明しました。場の空気は少しずつ落ち着きを取り戻しました。
しかしその後、A山が不用意な発言をしたことで、状況は一変します。企画の出どころに関して誤解を招くような言い方をし、先方の信頼に影響しかねない内容でした。部長はその場を整えるように、落ち着いて説明しました。
「先ほどご説明した企画案は、外部で活躍されているプランナー・B男氏のアイデアをもとにしています。弊社とも実績があり、今回は共同で進める想定でした」
ほどなくして会場に現れたのが、弟のB男でした。事前に説明の流れは聞いていましたが、このタイミングには正直驚きました。
A山は言葉を失い、以降は発言を控えるようになりました。
その後の評価と、それぞれの選択
大学との企画は無事に進行し、結果として高い評価を得ました。プロジェクト終了後、社内でも体制の見直しがあり、私は企画推進を担う立場として昇進することになりました。
A山はその後、異動を経て、最終的には自ら退職する道を選んだと聞いています。詳しい事情まではわかりませんが、それぞれが自分の選択をした結果だと思っています。
現在、私は海外拠点と連携したプロジェクトを担当しています。先日はロサンゼルスに滞在し、現地で弟と打ち合わせを兼ねたランチをしました。偶然にも、同じ案件に関わる形になったのです。
「一緒に海外案件をやる日が来るとはね」
そう笑い合いながら、これまでの道のりを振り返りました。
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学歴や肩書きだけでは、仕事の成果や信頼は測れません。目の前の課題に誠実に向き合い、準備と実行を積み重ねてきた人が、結果として評価されるという事実を改めて教えてくれるエピソードではないでしょうか。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。








