
総合エネルギー関連企業で次世代燃料の開発に携わっている私。ある日、東北エリアへの転勤を告げられました。そのことを、同じ会社で広報を担当している妻に伝えると、思いも寄らない反応が返ってきたのです。
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誤解された異動の真相
今回の異動は、新しい水素エネルギー事業に関わる重要なプロジェクトの進行役を任されるというものでした。ただし、社外との調整が続いており、社内でも情報は厳密に区分され、発表前の内容は限られたメンバーしか知らされていない段階でした。
そのため、同じ会社で働く妻であっても、詳細を伝えることはできず、私自身も「正式発表までは口外しないように」と念を押されていました。しかし妻は、その事情を知らないまま、私の転勤を「地方への左遷」だと早合点したようで、感情的にこう言い放ちました。
「給料が下がるなら、もう無理。離婚しましょう」
これまで私は、妻の世間体や見栄を優先する姿勢に違和感を覚えつつも、家庭を壊さないよう我慢してきました。しかし、そのひと言を聞いた瞬間、なぜか引き止めたいという気持ちは湧きませんでした。
「君がそう思うなら、それでいい」
そう答え、私たちは話し合いの末、別々の道を選ぶことになりました。
離婚後に起きた誤算
その後、妻は社内の知人に私の異動について聞き回ったようです。しかし、プロジェクトの性質上、周囲も詳しい事情を知らず、「地方で新しい業務を担当するらしい」という程度の情報しか得られなかったと聞いています。それを聞いた妻は、「やっぱり左遷だったのね」と納得した様子で、私との別れを正解だと思い込んでいたようでした。
数週間後。元妻は広報担当として、翌日に発表されるプレスリリースの原稿を確認する立場にありました。そこには、新規エネルギー拠点プロジェクトの責任者として、私の名前と役職が明記されていたのです。
驚いた元妻は、すぐに私へ「これって……あなたが責任者なの?」と連絡してきました。私は「当時は言えなかったけど、正式に発表されたってことだよ」と淡々と答えました。
翌日の会見では、プロジェクトの技術責任者と並び、新事業について説明をおこないました。会見後、元妻は態度を一変させ、「やっぱりすごい人だったのね」と親しげに話しかけてきました。しかし私は、「もう関係は終わっている」とだけ伝え、その場を離れました。








