
私は、とある企業で開発部の課長を務めています。最近、ことあるごとに「働き方改革を進めたい」と主張する新人社員の対応に、頭を悩ませていました。
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理想と現実のはざまで
問題の中心にいたのは、新人社員のA男です。A男は「効率化」や「柔軟な働き方」を強く意識しており、私の業務指示に対しても反論することが少なくありませんでした。時には、その意見に副社長が同調する場面もありました。
「今どき、出勤しなくてもリモートで十分じゃないですか。商談も映像通話で問題ないと思います」
「たしかに、そういう考え方もあるな。若い世代は柔軟だ」
私自身、無駄な残業をなくすことや効率化の必要性には賛同しています。ただ、すべての業務を一律にA男の理想通りに進められるほど、現場は単純ではありません。そのギャップに、日々悩まされていました。
連絡なきフルリモート
そんなある日のことです。出社すると、A男の姿がありませんでした。
「今日はフルリモートで商談します」
そう一方的にメッセージが届き、私はがくぜんとしました。事前の相談もなく、他の上司も把握していなかったのです。この出来事が、私にとって大きな転機となりました。
その日の商談では、当社が開発中の機器について説明する予定でした。この機器は実物を見ながら説明したほうが理解しやすく、私は事前に「対面が望ましい」と何度も伝えていました。
しかしA男は、「自分ならフルリモートでも問題なく説明できる」と考えていたようです。取引先のB子さんも、「では、やってみてください」と柔軟に対応してくださいました。
ところが、会議は開始早々からトラブル続きでした。映像は何度も途切れ、音声も安定しません。説明以前に、会話そのものが成立しなかったのです。
後からわかったのですが、A男は自宅ではなく外出先から、スマートフォンのテザリングで接続していました。通信環境が不安定だったのも無理はありません。








