食べ物に執着する80代の義母

私たち夫婦は2人の子どもを授かり、夫の父母と一緒に暮らしながら、子育て期を過ごしました。今や子どもたちは無事成人、仕事の都合で他県へ移って行きました。家には、私たち夫婦と義父母の4人が残りました。
ある日、義母が畑で収穫してきたキャベツを料理に使えと言うので、私は野菜炒めを作りました。その年は雨が少なかったせいか、硬い出来のキャベツでした。このところ、義母は、ごぼうやにんじんなどを「硬くてかめない」と残すことが多くなっていたので、いくらなんでもこのキャベツは硬くてかめないだろうと義父母の皿に入らないように私の皿に集めました。私の野菜炒めは、ほとんどがキャベツとなりました。
すると、食卓に出した皿を見た義母がなんだか薄ら笑いを浮かべたのです。そして、「あんた、そうしてキャベツの下に隠しているつもり?」。一瞬何のことかわからなかった私ですが、肉をキャベツの下に隠していると思われていることに気付き、再びびっくり。
「何も隠してませんよ。キャベツの硬い部分を集めただけで。ほら、下にもキャベツ……」と、私は急いで箸でめくってキャベツの下に肉など隠してないことを見せましたが、義母はぷいっと目を背け、ニヤニヤしながら「隠せているとか思わんほうが良いよ」と言いました。
私が「そんなつもりはなくて」と言おうとすると、「はいはい、言い返しなんかしなさんな」と、義母は苦笑いしたまま背を向けました。私は、もう何を言っても義母には言い訳にしか聞こえないのだろうと諦めました。
実はこうしたことはこれまでにもありました。夫に話すと、「ごめんな。お袋は昔から食べ物に執着するところがあって、思い込みが激しいからなぁ」と理解してくれたので、気持ちがラクになりました。
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私は夫と話して2人で事態を客観視することで、気持ちを切り替えました。義母の意思を尊重し、おかずは硬かろうが何だろうが家族同質同量を出し続けています。義母は高齢となりましたが、決して「減らしてくれ」とは言いません。食べられる量が減ってきた義母の残すおかずが、冷蔵庫を占領するようになってきていますが、私には関係ないと割り切るようにしています。
著者:森原あさみ/50代女性
イラスト/へそ
まとめ
泥沼化を回避した2人の体験から見えてきたのは、「察してほしい」という期待を手放すことの重要性です。
1人目は「言葉にして伝える勇気」を持つことで誤解を解き、2人目は「義母の価値観は変えられない」と割り切ることで自身の平穏を守りました。義母との関係に悩んだときは、ひとりで抱え込まず、まずは夫や周囲に言葉にして伝えてみること。そして、時には「理解し合えなくてもいい」と心の境界線を引くことが、自分自身を守る一番の解決策になるのかもしれません。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています








